保護者と未成年のセキュリティ対策
現在、自民党と民主党が「青少年ネット規制法案」を今国会に提出するよう準備を進めています。趣旨としては「青少年(未成年者)が有害情報に触れることのないよう、法律で規制します」という内容です。(法案自体の骨子についてはネット上で賛否両論ありますので、ここでは割愛します)そこで今回は、ネット上の有害情報に対し、保護者と未成年者はどのように付き合っていけばよいのかを、当セキュリティマガジンにて取り上げてみることにします。
「有害情報」の定義って何?
法案によると、原則18歳未満禁止(主に性的、暴力的なもの、売春・買春を誘発する出会い系サイト等)の情報(以下R18と略します)と、いじめを誘発するもの等(学校裏サイト等)が該当するようです。このうちR18については、基準もすでに既存のものがあり、明確でわかりやすいため、各種フィルタリングソフト等で対応できますが、単純にフィルタリングソフトだけを導入してはい終わり。では根本的な解決になりません。何故なら、未成年者は「禁止されているもの」に対し非常に好奇心が旺盛なため、ただ単に理由もなく禁止するだけでは、好奇心を煽り、いかなる手段を講じてでもそういった情報を得ようとすることが非常に多いからです。また、いじめを誘発するようなものは、機械的に判断することが困難です。
未成年者を「有害情報」から守るには?
まず、未成年者の好奇心を止めることは出来ないことを認識することが重要です。その上で「親」である保護者がしっかりと「有害情報に触れてはいけない合理的な理由」や「何も知らずこういった情報に触れることで、結果取り返しのつかない被害に遭うことがある」ことをしっかりと話し、お互いに理解しあうことが肝要です。また、学校という教育の場や、地域社会での取り組み等も有用でしょう。
このようなことは法案の成立可否に関わらず、保護者を含めた私たち大人が真剣に取り組めば、本来は今すぐにでも出来ることです。交通安全教育や道徳教育、躾を未成年者が大人や保護者から学ぶように、ネット上の有害情報に対しても、保護者や大人たちがしっかり意識し、行動・教育することが、未成年者を犯罪から守ることに繋がります。
急激に発展してきたネット社会では、上記のようにまだまだ未整備な部分も多く、また「ネットなんてわからない」「パソコンなんてわからない」のでどうしたらよいのかわからない保護者もまだまだ多いですが、決して一人で抱え込まないようにしましょう。こういったことをしっかり認識し、ネットに詳しい人とそうでもない大人同士がきっちりコミュニケーションを取ることが、保護者として誰でも出来る実効性の高いセキュリティ対策なのかもしれませんね。
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